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  • 執筆者の写真Aya Sato

【たべる】山家料理 七福山



飛騨金山駅から車で15分、和良川を眺む静かな山あいに山家料理・お宿七福山はひっそりと佇んでいる。七福山は、京都の老舗料理屋で下積みから料理の基本を学び、そこから日本でも有数の高級ホテルの厨房で副料理長の経験を得て、料理の可能性の広さアレンジを学んだ晋輔さんが、2年前にお父さんが築き上げた味を引き継いで、山家料理を復活させた。



七福山の建物は、今から55年前に岩屋ダムの底に沈むはずだった築170年の古民家を今の場所に移築したもの。囲炉裏もあり、一歩足を踏み入れるとどこか懐かしいあの日の風景の中にタイムスリップしたかのよう。




夏の暑い日でも川からの涼しい風が入り、鮎釣りやツーリングで訪れた旅人がホッと一息つける、そうしたのんびりした空気が漂っている。


七福山の山家料理は、春は山菜、夏は鮎、秋はきのこ、冬はイノシシ鍋など、地物の食材や山の幸で、四季の流れを感じられるその時期にしか食べられないご馳走を味わえる。特に夏の鮎は、七福山の目の前を流れる和良川の鮎しか使わないそう。「水質や土の成分、餌のこけの質、その年の天候で味が全然違うんです。やっぱりうちの前の川でとれる鮎が一番美味しい。数は出せないけど、親父の代からここで釣れたものしか使わない」



「いいものを作り続けたい」と晋輔さんは言う。「時代性とアレンジを加えることで、もっと多くの人に楽しんでもらいたい。ただそれ以外は触りたくない。山家料理って美味しいんです。残していくべき料理だと思っています。」本質を追い求めながら、引き継いだ山家料理に新しい風を入れる。



のんびりした空気、それがこの場所の最大の魅力でもある。

「日常では味わうことが難しい、ゆっくりした時間を過ごしてほしい」という思いで、この山あいの小さな家で季節ごとに味わってほしい味覚を提供してきた。なんでもない、けれども特別な時間がここには流れている。




晋輔さんは、この場所を生かして新しいことにも挑戦したい、と意欲をのぞかせる。鮎の最盛期である夏以外は、山の幸や地元の食材を生かしたイタリアンの要素を取り入れた料理も期間限定で始めた。


地酒とのペアリング、地元の自然を生かしたアクティビティと連携したフード、音楽イベントなど、話していてもアイディアは尽きない。古き良き風情の感じられる七福山に、新しい命を吹き込む挑戦は始まったばかりだ。


昔は養蚕を行っていたという2階には、心地の良い風の入る、居心地の良さそうなこじんまりとした客室が並ぶ。


Wifi完備でワーケーションにもぴったり。この山あいの一軒屋で、のんびりした時を過ごしてほしい。




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