庭師のしごと
樹木と植物と自然と向き合って、
四季折々の発見を楽しむ庭園を作り上げる
丸川造園 丸川勝彦さん
◆技術と手間隙をかけて、空間を創造する
飛騨金山の中心、静かな山の裏手にひっそりと佇む長福寺。1本の松が中心に聳え、よく手入れされた青々とした低木が歩道を飾ります。するするっと木に登り、細かい枝の流れを読みながら手作業で1つ1つ切り落としていく。静寂な境内に、パチンパチンと小気味よい剪定の音が響く。
丸川勝彦さんは、豊かな山と清流に育まれた自然が美しいここ飛騨金山で造園業を営んでいます。
庭づくりの仕事は、自然に育まれた植物を、神社や仏閣、個人邸宅、お店それぞれの建物や空間に沿うように整える仕事。季節ごとの景観を楽しんだり、居心地の良い空間でほっと一息ついたり、心を落ち着かせて自分と向き合ったり、自然に手を加えてそうした空間を創造することが造園のしごと。こうした仕事の随所に日本の伝統芸術である庭師の技術が活かされています。
◆造園の仕事に向いている人はこんな人
「造園の仕事で一番大切なのはコミュニケーション」と丸川さんは言います。「造園というのは、自分の技術を活かしたい、という想いが先行してしまいがちなのですが、やはり一番は、そこに住んでいるお客様に喜んでいただくこと。これを大切に仕事をしています。」
丸川さんは、修行時代を京都で過ごしました。人工的にキレイな樹形を作る一辺倒だった金山の造園文化の中で、京都の透かし選定の技術を活かしてより庭木の自然な形を活かす「自然のなかにある自然に従う庭づくり」を大切にしてきました。こうした日本の伝統文化に裏打ちされた技術がありながらも、依頼主の方に喜んでもらえる空間づくりを仕事の中心に置いています。
依頼いただく方の大半は昔から担当させていただいている庭。二十年、三十年、一緒に歩みを重ねてきました。この人なら庭を任せられる、そんな信頼関係が今の仕事につながっています。
◆庭だけに留まらない、造園のしごとの可能性
好奇心旺盛な丸川さん。丸太を使ったアート作品、地元産の煎茶を使ったお茶会、金山に自生するクロモジの新しい活用法、話しているといろんなアイディアが飛び出します。
「今後、どういった方と一緒に働きたいか」ということを丸川さんに投げかけたところ、面白い答えが返ってきました。
「造園に興味がある方はもちろんですが、建物に付随する外部の空間作りに興味がある方や自然が好きな方、面白いことが好きな方、そういった方々の集合体にしていきたいなと思っています。造園という枠に捕らわれず、自然や空間づくりに興味のある方々の集合体になれば、非常に面白いことができるのではないかと思っています。」造園業は空間を造形するもの。「だからこそ、その人の色を存分に出してほしい」と語る丸川さん。
植物や自然と向き合って空間を創造するだけに留まらず、自然と関わる造園という仕事の可能性はまだまだ広がっていきます。
「これまでにも、私のところで一緒に仕事をして独立した子が何人かいるので、何か一緒にやりたいねという話をしています。私もまだ京都で修行していた頃、同業の仲間ができてこんなことができたら面白いなという話をいつもしていました。そんな仲間と40年を経た今、また集まったらとんでもないことができるんじゃないかと思います。若い方にも、そんな経験がして欲しい、その手助けができれば嬉しいです。きちんと収益を得るための最低限の基盤を作って、あとは自分たちが楽しいことをやれたら面白いんじゃないかと思います。」
造園の仕事は職人の世界。ずっと1箇所で雇用されるというよりも、様々な経験を通じて、技術や仕事を学び独立をしていく、そんな方達もたくさんいらっしゃるそうです。「何か面白いことができないかな」「技術を身につけて庭の仕事をしてみたい」そんな想いの一歩目、ここから踏み出してみませんか?
お問い合わせ:
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金山みらい協議会
kanayama.mirai.council@gmail.com
090-4461-6266(担当:佐藤)
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(有)丸川造園
岐阜県下呂市金山町金山2373-3
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